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2026.06.16

new works Loupe Coffee Stand 海田店

広島県海田町の住宅街の中に産まれたコーヒスタンド。
楠木町にある1号店に続き空間デザインに携わり、2号店はオーナー自身が住む街である海田町への出店となった。
店名である「ルーペ」には、小さいものを大きく見せる虫眼鏡という意味がある。
空間や機能、素材、コストなどを最小限に研ぎ澄ますことで、空間を一つの「概念の塊」として現す。そこに人が通うことでより広く街全体に抽出され、コーヒーがカルチャーとして街に根付き広がっていくというコンセプトを据えた。
1号店では透明なレンズをモチーフにドアノブなどを作成した経緯があり、今回も同じように透明アクリルをレンズに見立てて使うことを思いついた。
オーナー自身が住む街で、そこを拠点にコーヒー豆を焙煎していきたいという思いを汲み取り、海田店ではレンズが「町の色」に染まり、その色が空間に投影される仕組みを考えた。具体的には、海田町の町花でもあるひまわりの黄色を、空間のアクセントカラーとして用いている。
さらに、住宅街の中で「コーヒー」という概念をより強く持たせるために建築にできることは何かを思考した。
そこで、コーヒースタンドにおいて一番大事な「豆を焙煎する」という行為を店舗の中心に配置し、空間の機能を焙煎することに特化させ、余剰スペースに客席を設けるという構成を導き出した。
焙煎室をメインとして中央に取ることで、空間の短手方向の寸法上、どちらか片方に動線を作らざるを得ない平面計画となった。
そこで、右側にはベンチとサイドテーブル、豆の販売用の棚を長手方向に一体で展開したベンチスペースを配置。左側にはメインの動線と、コーヒーを気軽に立って楽しめるスタンドテーブル席を設けた。
このスタンドテーブルは、コンクリートの円柱の塊で表現している。
ここでは、RC造の打設時に現れる構造的なエラーである「ジャンカ」をあえて意図的に生み出すことで、一本一本の柱の表情が版築のように異なるものとなった。
日々コーヒーを焙煎する姿が、店内からも店外からも覗ける空間。
この住宅街の日々の営みの中に、コーヒーの香りと豆一粒に対する思いが抽出され、優しく浸透していくことで、海田町に新たなカルチャーが生まれてくれることを願っている。

 

PHOTO:
足袋井竜也

 

完成日:
2026.JUN

 

〒736-0022
広島県安芸郡海田町蟹原2丁目11-8
OPEN
9:00 〜 18:00
CLOSE
Irregularly

URL:@loupe_coffee_stand