WORKS

鉄板焼 とよふみ

TEPPANYAKI TOYOFUMI

CATEGORY: SHOP

CONCEPT:
シティホテルの鉄板料理店で修行をしていた店主の持つ空間イメージをこの場所で体現する上でこれまで手掛けていた躯体を生かす手法ではなく新たなアプローチでの空間デザインが必要ではないかと考えた。

これまでの空間デザインにおいては躯体のもつ歴史や重みに敬意を持ち、それを縁どる額装のようにシンプルな内装造作を得意としていた私にとって躯体を生かすのではなく隠すことは全ての色や素材などに意味を持たせる事となり新たな扉が開くために必ず避けては通れない道だと感じていた。

アーケードの商店街に店舗を構えるカジュアル感とシティホテルで培ってきた高級感、二つの要素の構成バランスのちょうど良いラインを見つけ出さなければならない。

空間全体に高級感のあるマテリアルを意識しつつもこれまで培ってきた無骨な素材感や手仕事で生まれる柔らかいスクリーンやオブジェクトを取り入れていく事でちょうど良いバランス感覚が保たれるのではないかと感じた。

厨房にはオーナーが一人で立つこともあり40坪の中型店舗でありながら最大でとる客席数はは10〜15席という贅沢に空間を使えることから、風除室を抜けて右側にオープンキッチンを設けたカウンターは長手と短手を合わせて9M弱の鉄板とフルフラットのカウンター空間を作り、その中で一人のシェフが料理を振舞う姿はカウンターに座るお客様にとってはこの上なくライブ感あふれる場となり、まるで広いステージで一人で演奏をするアーティストのようにも見えた。

カウンターの上部下り壁は折り返しの鍔部分も合わせて亜鉛板をリン酸処理した工業用製品を用いることで空間全体にシャープさを加え化学反応によって生まれたリン酸の模様はこの空間の見せ場の一つとなった。

また通路を挟んだ横には個室を設けている。建具の一部をラタンとガラスで作ることで視線は遮られながらも奥行きを感じられるように考慮され、個室を使う人も使わない人も心地よい視界となるように考慮して考えている。

また一番奥の個室の隣に焼酎やワインセラーをギャラリーのように展示したボトルバーを併設した。

お客様は自らボトルバーに入ってキープのボトルやお酒との新しい出会いをエキサイティングに演出できるように考えた。

ファサードからはイサムノグチ のAKARIシリーズの一番サイズの大きいものにシンボルマークを入れ、ペンダントライト ではなくオブジェとして開口の中心の高さを芯に取り付けた。

店外からも内部からも大きく丸い光る満月のような球体で視線は柔らかく遮られる。

またエントランスには同じく背面が光源となる丸型の黒い鉄板でできたブラケットライトを取り付けている。後ろから光が漏れる姿は新月のようにも見え、ファサードの右側と左側の両端で月の新月と満月を表現することで、月が闇夜に生まれて満たされるまでの精悍で穏やかな時の流れという新しい物語を付随させた。

躯体を隠すことから始まった新しい空間。一般のデザイナーにとっては当たり前なのだが、私にとっては新たな挑戦となったプロジェクト。偶然にも階上の二階には弊社が事務所を構えているので訪れた際にはお声がけいただけたらとても光栄である。


LOGO & SIGN:
久保章(guide)

GREEN:
中村圭志(フローリストナカムラ)

特殊金物:
村田進(賀茂クラフト)

施工:
井本建設

PHOTO:
足袋井竜也

完成日:
2021. APR

鉄板焼 とよふみ
〒737-0046
広島県呉市中通り4-2-14西田ビル1F
OPEN
17:00~23:00(L.O.20:30)
CLOSE
Tuesday
TEL 0823-21-2737

URL:
https://tabelog.com/hiroshima/A3404/A340401/34028206/

MEDIA:
令和4年度美しい街づくり賞 「リノベーション部門」奨励賞

  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic
  • pic

CATEGORY: SHOP

CONCEPT:
シティホテルの鉄板料理店で修行をしていた店主の持つ空間イメージをこの場所で体現する上でこれまで手掛けていた躯体を生かす手法ではなく新たなアプローチでの空間デザインが必要ではないかと考えた。

これまでの空間デザインにおいては躯体のもつ歴史や重みに敬意を持ち、それを縁どる額装のようにシンプルな内装造作を得意としていた私にとって躯体を生かすのではなく隠すことは全ての色や素材などに意味を持たせる事となり新たな扉が開くために必ず避けては通れない道だと感じていた。

アーケードの商店街に店舗を構えるカジュアル感とシティホテルで培ってきた高級感、二つの要素の構成バランスのちょうど良いラインを見つけ出さなければならない。

空間全体に高級感のあるマテリアルを意識しつつもこれまで培ってきた無骨な素材感や手仕事で生まれる柔らかいスクリーンやオブジェクトを取り入れていく事でちょうど良いバランス感覚が保たれるのではないかと感じた。

厨房にはオーナーが一人で立つこともあり40坪の中型店舗でありながら最大でとる客席数はは10〜15席という贅沢に空間を使えることから、風除室を抜けて右側にオープンキッチンを設けたカウンターは長手と短手を合わせて9M弱の鉄板とフルフラットのカウンター空間を作り、その中で一人のシェフが料理を振舞う姿はカウンターに座るお客様にとってはこの上なくライブ感あふれる場となり、まるで広いステージで一人で演奏をするアーティストのようにも見えた。

カウンターの上部下り壁は折り返しの鍔部分も合わせて亜鉛板をリン酸処理した工業用製品を用いることで空間全体にシャープさを加え化学反応によって生まれたリン酸の模様はこの空間の見せ場の一つとなった。

また通路を挟んだ横には個室を設けている。建具の一部をラタンとガラスで作ることで視線は遮られながらも奥行きを感じられるように考慮され、個室を使う人も使わない人も心地よい視界となるように考慮して考えている。

また一番奥の個室の隣に焼酎やワインセラーをギャラリーのように展示したボトルバーを併設した。

お客様は自らボトルバーに入ってキープのボトルやお酒との新しい出会いをエキサイティングに演出できるように考えた。

ファサードからはイサムノグチ のAKARIシリーズの一番サイズの大きいものにシンボルマークを入れ、ペンダントライト ではなくオブジェとして開口の中心の高さを芯に取り付けた。

店外からも内部からも大きく丸い光る満月のような球体で視線は柔らかく遮られる。

またエントランスには同じく背面が光源となる丸型の黒い鉄板でできたブラケットライトを取り付けている。後ろから光が漏れる姿は新月のようにも見え、ファサードの右側と左側の両端で月の新月と満月を表現することで、月が闇夜に生まれて満たされるまでの精悍で穏やかな時の流れという新しい物語を付随させた。

躯体を隠すことから始まった新しい空間。一般のデザイナーにとっては当たり前なのだが、私にとっては新たな挑戦となったプロジェクト。偶然にも階上の二階には弊社が事務所を構えているので訪れた際にはお声がけいただけたらとても光栄である。


LOGO & SIGN:
久保章(guide)

GREEN:
中村圭志(フローリストナカムラ)

特殊金物:
村田進(賀茂クラフト)

施工:
井本建設

PHOTO:
足袋井竜也

完成日:
2021. APR

鉄板焼 とよふみ
〒737-0046
広島県呉市中通り4-2-14西田ビル1F
OPEN
17:00~23:00(L.O.20:30)
CLOSE
Tuesday
TEL 0823-21-2737

URL:
https://tabelog.com/hiroshima/A3404/A340401/34028206/

MEDIA:
令和4年度美しい街づくり賞 「リノベーション部門」奨励賞