WORKS

nuru

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CATEGORY: SHOP

CONCEPT:
広島市の東区の高速道路インターや電車の駅などが集中し利便性の高い地域、インフラとなる高架下近辺は工場や倉庫が多く街の発展から置いて行かれた裏面のようで少し寂しく感じた。

そんな地域に建つビルの一階、壁面で囲われたテナント部分と半屋外空間として駐車場などで使われる二つの空間が混在する好立地ながら低家賃の物件をヘアサロンに改修するプロジェクト。夫婦二人ともスタイリストとして活動していることから、一つの空間にそれぞれのサロンを作りたいとの依頼だった。そこで奥様の方は同世代のお客様が多いことを考慮し、キッズスペース併設の一席のみのプライベートサロンとして壁で囲われた既存テナント部を転用し、それ以外の半屋外空間部分をご主人のサロンスペースとなるように考えた。

半屋外空間はビルの一階に位置しながら隣接した二つの貸しテナントのインフラが集まる裏側部分となり、さまざまな要素によって侵食され追いやられた”あまり”のような空間はどことなくこの街全体の空気感にも似た感じがした。ヘアサロンを作る上で新と旧を隣接させてしまうと新たな表裏がまた生まれてしまうと考え、新しい空間はこの地域にそぐわないような洗練された場を作りながら二つが交わることがないよう境界には緩衝材のようなものを挿入することでこの街全体のバランスを保ちながら底上げすることができないかと考えた。

それは自然とこの空間の問題点でもある一点に注目することとなる。

ファサードの左側のコンクリートブロックの外壁と透明な波板の屋根で囲われた箇所はビルの給湯器が奥に設置され点検する際の動線を確保してほしいとのビルの家主からの要望があった。この共用部分を新旧の建物の境界の抜けとして植栽を置くことで緑溢れるサンルームと定め、この場を荒廃した周辺環境に対して内外の借景としながらヘアサロンの機能を組み込んでいった。

新旧を隔てる外壁は前述した共用部分の隙間を取りながら角を作らずに柔らかなラインを定め、外壁や躯体のマテリアルにはグレーやベージュ色の階調で凹凸がある素材感があるものや工業用の建材を用い、荒廃した色のない周辺環境に倣いながら、近未来的なフォルムが悪目立ちすることなく周辺環境と自然に溶け込むように考えた。
天井や壁のマテリアルに相対するよう面台やミラーなどヘアサロンとしての機能はスチールで繊細に作り素材感はフラットにサンルームの植栽から連動するようにグリーン一色で焼き付けたものとすることで、サロンとしての機能のみがこの街から浮き上がって見える。

店名のnuruは新しく塗り替えていくという意味でつけたとのこと、錆びれた高架下の周辺に加えビル1Fのテナント部自体にも新旧のインフラが入り混じる場所、それを逆手に取り周辺環境に対比するように洗練された空間を緩衝材となりうるスキマを挿入して作ることで、発展の犠牲となった街が少しずつ豊かな色を持ちだし塗り変わっていってくれたらと願う。


LOGO SIGN & GRAPHIC :
久保章(guide)


GREEN:
中村圭志(フローリストナカムラ)


STEEL:
村田進(KAMO CRAFT)

PHOTO:
足袋井竜也

完成日:
2024.OCT

〒732-0044
広島県広島市東区矢賀新町
5-5-1日浦ビル 1F
OPEN
9:00 〜 22:00
CLOSE
Monday Sunday(3rd)
TEL
08065432413

URL:
https://www.instagram.com/nuru_hiroshima

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広島市の東区の高速道路インターや電車の駅などが集中し利便性の高い地域、インフラとなる高架下近辺は工場や倉庫が多く街の発展から置いて行かれた裏面のようで少し寂しく感じた。

そんな地域に建つビルの一階、壁面で囲われたテナント部分と半屋外空間として駐車場などで使われる二つの空間が混在する好立地ながら低家賃の物件をヘアサロンに改修するプロジェクト。夫婦二人ともスタイリストとして活動していることから、一つの空間にそれぞれのサロンを作りたいとの依頼だった。そこで奥様の方は同世代のお客様が多いことを考慮し、キッズスペース併設の一席のみのプライベートサロンとして壁で囲われた既存テナント部を転用し、それ以外の半屋外空間部分をご主人のサロンスペースとなるように考えた。

半屋外空間はビルの一階に位置しながら隣接した二つの貸しテナントのインフラが集まる裏側部分となり、さまざまな要素によって侵食され追いやられた”あまり”のような空間はどことなくこの街全体の空気感にも似た感じがした。ヘアサロンを作る上で新と旧を隣接させてしまうと新たな表裏がまた生まれてしまうと考え、新しい空間はこの地域にそぐわないような洗練された場を作りながら二つが交わることがないよう境界には緩衝材のようなものを挿入することでこの街全体のバランスを保ちながら底上げすることができないかと考えた。

それは自然とこの空間の問題点でもある一点に注目することとなる。

ファサードの左側のコンクリートブロックの外壁と透明な波板の屋根で囲われた箇所はビルの給湯器が奥に設置され点検する際の動線を確保してほしいとのビルの家主からの要望があった。この共用部分を新旧の建物の境界の抜けとして植栽を置くことで緑溢れるサンルームと定め、この場を荒廃した周辺環境に対して内外の借景としながらヘアサロンの機能を組み込んでいった。

新旧を隔てる外壁は前述した共用部分の隙間を取りながら角を作らずに柔らかなラインを定め、外壁や躯体のマテリアルにはグレーやベージュ色の階調で凹凸がある素材感があるものや工業用の建材を用い、荒廃した色のない周辺環境に倣いながら、近未来的なフォルムが悪目立ちすることなく周辺環境と自然に溶け込むように考えた。
天井や壁のマテリアルに相対するよう面台やミラーなどヘアサロンとしての機能はスチールで繊細に作り素材感はフラットにサンルームの植栽から連動するようにグリーン一色で焼き付けたものとすることで、サロンとしての機能のみがこの街から浮き上がって見える。

店名のnuruは新しく塗り替えていくという意味でつけたとのこと、錆びれた高架下の周辺に加えビル1Fのテナント部自体にも新旧のインフラが入り混じる場所、それを逆手に取り周辺環境に対比するように洗練された空間を緩衝材となりうるスキマを挿入して作ることで、発展の犠牲となった街が少しずつ豊かな色を持ちだし塗り変わっていってくれたらと願う。


LOGO SIGN & GRAPHIC :
久保章(guide)


GREEN:
中村圭志(フローリストナカムラ)


STEEL:
村田進(KAMO CRAFT)

PHOTO:
足袋井竜也

完成日:
2024.OCT

〒732-0044
広島県広島市東区矢賀新町
5-5-1日浦ビル 1F
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08065432413

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