WORKS
左_右(改修)
sa_yu(renovation)
CATEGORY:
HOUSE
CONCEPT:
広島県呉市の住宅街にある坂道に沿うようにできた高低差がある土地の上に長い時間をかけ増改築を繰り返すことで産まれた築70年の木造の平屋と二階建ての納屋。この街でよくみられる風景を土地と建物の歴史を紐解くことで空間の中に様々な分節点を見出し、そこに新たな機能や建築的な変化を差し込むことで、歴史を継承し建物が持つ元々の住宅という機能は土台として活かしながら、働くことや街との新たなつながり方を模索する場となることができないか考えた。
住宅を店舗のようにショップとバックヤードで分けて考えてみると、家族それぞれの個室はプライバシーを高めた空間=バックヤードとし、LDKや水回りは家族同士や他者とも触れ合いが生まれ、個室よりプライバシーが低くオープンな場=ショップとなる。
本プロジェクトでは住環境をその視点に基づきゾーニングしている。
住居スペースを平屋を改修する形で考え、居室となる個室棟とリビングや水回りのLDK棟の二つ分け、間にRCヴォイド差し込んだ。またLDK棟に繋げて新たにコミュニティ棟を増築した。
この分節は単なる機能的分離ではなく、居住者の心理や距離感に寄り添った“新しい暮らしの提案”であり、個の時間と共の時間が連続的に展開される。
改修した平屋は水平方向に過去2回増築を施したとのこと。当初からある未増築部分にLDKを内包し、建物の一回目の分節点となる増築部のみ一度解体して、そのあと建物の鉛直方向にRCのヴォイドを差し込み、空間の緩衝材を設け、離れのように個室を配置した。ヴォイド空間は中庭にも繋がることで内外と二つの空間に対してそれぞれ建具を設け開閉できる空間となっている。
外に開くことで二つの空間の庭の延長の半屋外として柔らかく仕切り、内に開けば屋内空間となりどちらかの延長線上の空間として使うことも可能となる、例えばリモートワークを家族の団欒をガラス越しに中庭の緑や自然を感じ行えるなど、情報量が多く日々目まぐるしく更新されるこれからの住環境の多様性に対しプライバシーの干渉体としてフレキシブルに対応できる住宅となっている。
LDK棟の左側には納屋を解体して土地の形状に倣って三角形に彫り込まれたRC造の半地下と二層の鉄骨造が新たに増築された。この場所は訪れた人迎えるレセプションの機能や地域に開放されたギャラリーやコミュニティスペースとなる。
日々暮らす中で産まれるそれぞれが持つ彩(いろどり)は働くことと人と繋がることの二つだと思う。その二つとの係わりを就寝するプライベートスペースを独立化させることで、他者や家族と触れ合うことと地域のコミュニティと繋がることが、住むことを土台としたプライバシーのヒエラルキーとして形成されることで、住環境と分断して向き合うのではなく住むことの延長として連続することとなり、より豊かな暮らしに繋がっていくのではないかと考えた。
Detail
土地の西面側の坂道の道路の先に新しい住宅市街地があり人通りが多いことからLDK棟は低い位置に水平方向を意識できる細長いFIX窓を設けファサードはあえて閉鎖的に作り、
内庭には植栽を施し、内部に向かって空間が広がるように庭面の開口を大きくとっている。
天井の一部は建物の持つ歴史を継承するように解体して既存の柱と梁を現しにした。天井高はあえて2.2メートルと低く設定し、ダイニングの吹き抜けを強調させながらその間をストリングライトを2台設け一筆書きのように配線することで天井差で生まれる二つの大きな下がりの壁面を柔らかく繋げている。解体時に現れた碍子と2本の黒い線で織りなされていた古民家の天井裏によくみられる風景をあらたにストリングライトを用い一本の黒く細い線で柱と梁をつなぎながら表現することで、昔の手法を継承しながらも現代的にソリッドに研ぎ澄まされアップデートされたものとなった。現しになった躯体のホゾ部分には家具工場ででた様々な樹種の端材を埋め込んでいる。
リビングは天井が下がった分、掘り込んで底面と立ち上がりをウレタンソファで被覆し、視線を下げることで中庭の植栽との距離がより近くなり、西面の細長いフィックス窓にアイラインがフィットすることで人々や車の動きを煩わしくなく心地よく外の喧騒として感じれる。
また現代の住宅においてリビングにはテレビは必要なものだが、空間デザインをすることにおいてはテレビの存在感と価値については難題で常に考えさせられてきた。点いてなければモノリスのような黒い大きな塊となり、快適に見ることを考えるとモニターのインチ数は上がり比例するよう点けてないときは大きく存在感を増していく。だからこそ帰宅時にその異物が発する違和感からテレビの存在を一番に気づき自然とリモコンのスイッチを押して日々の暮らしの視覚と聴覚の数パーセントが奪われるのではないだろうか?
外部を閉じ内部に開けた景色を作ったことでこの空間には風に揺れる植栽や太陽の動きなどはさまざまな自然が織りなす動きにも気づきが産まれやすいようになっている。
日々の何気ないことに自発的に気づき感じられるような建築装置だからこそテレビは受動的ではなく情報が必要な時にしか存在できないような仕組みが必要と思い、テレビはついてない状態をデフォルトとするために、その存在が美しく消失して見えるように考えた。
ラワン材を黒く染色した材でテレビをフレーミングし、その周りをペーパーコードでオリジナルテキスタイルを考案して編んで仕上げ、視覚的にも強度の高い民藝品のような収納扉を取り付けることで、テレビはブラックミラーのようになり存在感を消失させた。また自然素材と手仕事の織り成すやさしさやソファの色合いが素地仕上を主としたソリッドな空間にもアクセントを与えている。
相反してキッチンや水回りはメンテナンス性を考慮してタイルやメラミンの単色など工業製品を用いた。タイルは大きさの同素材でサイズ違いのものをモンドリアンの絵画のように床と壁に貼り分けた。洗面台やキッチンのカウンターは水がかかることを考慮して無垢板の上にグリーンガラスを貼ることで機能とデザイン性を高めながら両立させた。キッチンにて存在感の大きな冷蔵庫と換気扇はその形状に合わせてオリジナルのカバーをステンレスで製作してそれぞれに纏わせることで、その場に合わせて空間に違和感なく溶け込むオートクチュールの家電製品となった。洗面台の扉はミラーを前面に貼り姿見とすることでリビングにおける水回りの存在感を消しながらRCヴォイド部分が映り込むことで空間に広がりを与えている。
栗の無垢材でしつらえたエントランステーブルの横にはスチールを亜鉛メッキ加工した箱が取り付けられた。天板部分は円形型と勾配をつけた長方形型で彫り込まれ、鍵や日々の生活でかさばる郵便封筒や書類など、家を出入りするときに生まれ使われるものを美しく収納するように考えた。
RCヴォイドの天窓はフレームレスに2箇所設けることで扉が閉じた状態でも外部にいるような感覚を与えることが可能となり、西側コンクリートの壁面には天井のスリットから漏れる光が射し込み、65ミリ厚のアクリルで形成したエントランスベンチを透過する。
昼前後にはその光が強く差し込み、太陽の軌道を日々感じ取れる。
この光の演出は、日常の中に美しくも神聖な時間をもたらし、空間体験を豊かにする装置となっている。
個室棟は、プライバシーが一番高くなることから外界との距離の取り方には様々な工夫が施されている。外壁面は視線や西陽のあたり方から閉ざし、漆喰で一様に仕上げ、重厚な既存瓦のエッジを鏡面ステンレスの雨樋を通すことで、水平面を強調させながらも美しく分断させた。また、各居室の開口を壁と一体化するような開き雨戸としてしつらえた。この窓は開口面積や視線の抜け方を自由に調整でき、光と影の密度を日ごとに変化させる。日常の暮らしの中で生まれる斜めの角度が、漆喰壁の平滑な面に微妙な陰影を生み出し、のっぺりとした白い外観に日々の繊細な変化を与えている。
改修で生まれた新しい生活の核を、外へと広げる役割を担うのが、RCの土台と鉄骨構造によるコミュニティ棟である。
かつての納屋を解体し、敷地を土地の先端形状に合わせて三角状に掘り込みながら、半地下構造として地形に寄り添うようにRCによって建てられた。 内部にはコンクリート壁に沿って設けられた大きなレセプションテーブルや壁を掘り込んで作ったベンチがあり、訪れる人を建築要素全体で迎え入れる“はじまりの場”となっている。
レセプション横の螺旋階段を上ると、鉄骨造で構成された二層のコミュニティスペースへと続き、活動のレイヤーが垂直方向に展開していく。各フロアは10~20 m²と小規模ながら、用途に応じて工法や設えを変え、 バラエティ豊かな空間提案の可能性を表現している。地形と構造、光と人の動きが交錯しながら、生活が外へとにじみ出る。
外壁はフレキシブルボードにシルバー塗装を施し、材の継ぎ目となる目地を意図的に残している。
通常であればコーキングで平滑に処理される部分だが、目地の底に雨樋を仕込むことで雨水処理の問題を解決しつつ、素材の厚みを表現することで外壁の陰影としての立体性を獲得した。
南面は新旧の分節点として斜めの壁を差し込むことで三方の外壁と異なる光の拡散を生み、昼と夜、晴れと曇りで外壁の表情は絶えず変化し、無機質な建築が呼吸するように生を感じ、改修した既存平屋と分節を柔らかく繋げることが可能となった。
この斜壁の構成は、前述した個室棟の開き雨戸と呼応し、時代や構法の異なる建築群に統一感をもたらしている。
DIRECTION:
榎本太一(E.)
GREEN:
長尾浩(長尾作庭研究所)
LOGO:
久保章(guide)
PAPER CORD WEAVING:
杉原祥太(sumu.)
ACRYLICS:
黒瀬光彦(Life Market)
特殊金物:
村田進(KAMO CRAFT)
木製家具:
井上匠(Takumi Wood Works)
特殊塗装:
庄野樹護(SHONO PAINT WORKS)
MOTION GRAPHIC / EDIT:
田中謙吾
PHOTO:
足袋井竜也
完成日:
2025.AUG
左_右
〒737-0803
広島県呉市郷町2-7
TEL 0823-36-3883
OPEN
10:00~20:00
CLOSE
不定休
CATEGORY:
HOUSE
CONCEPT:
広島県呉市の住宅街にある坂道に沿うようにできた高低差がある土地の上に長い時間をかけ増改築を繰り返すことで産まれた築70年の木造の平屋と二階建ての納屋。この街でよくみられる風景を土地と建物の歴史を紐解くことで空間の中に様々な分節点を見出し、そこに新たな機能や建築的な変化を差し込むことで、歴史を継承し建物が持つ元々の住宅という機能は土台として活かしながら、働くことや街との新たなつながり方を模索する場となることができないか考えた。
住宅を店舗のようにショップとバックヤードで分けて考えてみると、家族それぞれの個室はプライバシーを高めた空間=バックヤードとし、LDKや水回りは家族同士や他者とも触れ合いが生まれ、個室よりプライバシーが低くオープンな場=ショップとなる。
本プロジェクトでは住環境をその視点に基づきゾーニングしている。
住居スペースを平屋を改修する形で考え、居室となる個室棟とリビングや水回りのLDK棟の二つ分け、間にRCヴォイド差し込んだ。またLDK棟に繋げて新たにコミュニティ棟を増築した。
この分節は単なる機能的分離ではなく、居住者の心理や距離感に寄り添った“新しい暮らしの提案”であり、個の時間と共の時間が連続的に展開される。
改修した平屋は水平方向に過去2回増築を施したとのこと。当初からある未増築部分にLDKを内包し、建物の一回目の分節点となる増築部のみ一度解体して、そのあと建物の鉛直方向にRCのヴォイドを差し込み、空間の緩衝材を設け、離れのように個室を配置した。ヴォイド空間は中庭にも繋がることで内外と二つの空間に対してそれぞれ建具を設け開閉できる空間となっている。
外に開くことで二つの空間の庭の延長の半屋外として柔らかく仕切り、内に開けば屋内空間となりどちらかの延長線上の空間として使うことも可能となる、例えばリモートワークを家族の団欒をガラス越しに中庭の緑や自然を感じ行えるなど、情報量が多く日々目まぐるしく更新されるこれからの住環境の多様性に対しプライバシーの干渉体としてフレキシブルに対応できる住宅となっている。
LDK棟の左側には納屋を解体して土地の形状に倣って三角形に彫り込まれたRC造の半地下と二層の鉄骨造が新たに増築された。この場所は訪れた人迎えるレセプションの機能や地域に開放されたギャラリーやコミュニティスペースとなる。
日々暮らす中で産まれるそれぞれが持つ彩(いろどり)は働くことと人と繋がることの二つだと思う。その二つとの係わりを就寝するプライベートスペースを独立化させることで、他者や家族と触れ合うことと地域のコミュニティと繋がることが、住むことを土台としたプライバシーのヒエラルキーとして形成されることで、住環境と分断して向き合うのではなく住むことの延長として連続することとなり、より豊かな暮らしに繋がっていくのではないかと考えた。
Detail
土地の西面側の坂道の道路の先に新しい住宅市街地があり人通りが多いことからLDK棟は低い位置に水平方向を意識できる細長いFIX窓を設けファサードはあえて閉鎖的に作り、
内庭には植栽を施し、内部に向かって空間が広がるように庭面の開口を大きくとっている。
天井の一部は建物の持つ歴史を継承するように解体して既存の柱と梁を現しにした。天井高はあえて2.2メートルと低く設定し、ダイニングの吹き抜けを強調させながらその間をストリングライトを2台設け一筆書きのように配線することで天井差で生まれる二つの大きな下がりの壁面を柔らかく繋げている。解体時に現れた碍子と2本の黒い線で織りなされていた古民家の天井裏によくみられる風景をあらたにストリングライトを用い一本の黒く細い線で柱と梁をつなぎながら表現することで、昔の手法を継承しながらも現代的にソリッドに研ぎ澄まされアップデートされたものとなった。現しになった躯体のホゾ部分には家具工場ででた様々な樹種の端材を埋め込んでいる。
リビングは天井が下がった分、掘り込んで底面と立ち上がりをウレタンソファで被覆し、視線を下げることで中庭の植栽との距離がより近くなり、西面の細長いフィックス窓にアイラインがフィットすることで人々や車の動きを煩わしくなく心地よく外の喧騒として感じれる。
また現代の住宅においてリビングにはテレビは必要なものだが、空間デザインをすることにおいてはテレビの存在感と価値については難題で常に考えさせられてきた。点いてなければモノリスのような黒い大きな塊となり、快適に見ることを考えるとモニターのインチ数は上がり比例するよう点けてないときは大きく存在感を増していく。だからこそ帰宅時にその異物が発する違和感からテレビの存在を一番に気づき自然とリモコンのスイッチを押して日々の暮らしの視覚と聴覚の数パーセントが奪われるのではないだろうか?
外部を閉じ内部に開けた景色を作ったことでこの空間には風に揺れる植栽や太陽の動きなどはさまざまな自然が織りなす動きにも気づきが産まれやすいようになっている。
日々の何気ないことに自発的に気づき感じられるような建築装置だからこそテレビは受動的ではなく情報が必要な時にしか存在できないような仕組みが必要と思い、テレビはついてない状態をデフォルトとするために、その存在が美しく消失して見えるように考えた。
ラワン材を黒く染色した材でテレビをフレーミングし、その周りをペーパーコードでオリジナルテキスタイルを考案して編んで仕上げ、視覚的にも強度の高い民藝品のような収納扉を取り付けることで、テレビはブラックミラーのようになり存在感を消失させた。また自然素材と手仕事の織り成すやさしさやソファの色合いが素地仕上を主としたソリッドな空間にもアクセントを与えている。
相反してキッチンや水回りはメンテナンス性を考慮してタイルやメラミンの単色など工業製品を用いた。タイルは大きさの同素材でサイズ違いのものをモンドリアンの絵画のように床と壁に貼り分けた。洗面台やキッチンのカウンターは水がかかることを考慮して無垢板の上にグリーンガラスを貼ることで機能とデザイン性を高めながら両立させた。キッチンにて存在感の大きな冷蔵庫と換気扇はその形状に合わせてオリジナルのカバーをステンレスで製作してそれぞれに纏わせることで、その場に合わせて空間に違和感なく溶け込むオートクチュールの家電製品となった。洗面台の扉はミラーを前面に貼り姿見とすることでリビングにおける水回りの存在感を消しながらRCヴォイド部分が映り込むことで空間に広がりを与えている。
栗の無垢材でしつらえたエントランステーブルの横にはスチールを亜鉛メッキ加工した箱が取り付けられた。天板部分は円形型と勾配をつけた長方形型で彫り込まれ、鍵や日々の生活でかさばる郵便封筒や書類など、家を出入りするときに生まれ使われるものを美しく収納するように考えた。
RCヴォイドの天窓はフレームレスに2箇所設けることで扉が閉じた状態でも外部にいるような感覚を与えることが可能となり、西側コンクリートの壁面には天井のスリットから漏れる光が射し込み、65ミリ厚のアクリルで形成したエントランスベンチを透過する。
昼前後にはその光が強く差し込み、太陽の軌道を日々感じ取れる。
この光の演出は、日常の中に美しくも神聖な時間をもたらし、空間体験を豊かにする装置となっている。
個室棟は、プライバシーが一番高くなることから外界との距離の取り方には様々な工夫が施されている。外壁面は視線や西陽のあたり方から閉ざし、漆喰で一様に仕上げ、重厚な既存瓦のエッジを鏡面ステンレスの雨樋を通すことで、水平面を強調させながらも美しく分断させた。また、各居室の開口を壁と一体化するような開き雨戸としてしつらえた。この窓は開口面積や視線の抜け方を自由に調整でき、光と影の密度を日ごとに変化させる。日常の暮らしの中で生まれる斜めの角度が、漆喰壁の平滑な面に微妙な陰影を生み出し、のっぺりとした白い外観に日々の繊細な変化を与えている。
改修で生まれた新しい生活の核を、外へと広げる役割を担うのが、RCの土台と鉄骨構造によるコミュニティ棟である。
かつての納屋を解体し、敷地を土地の先端形状に合わせて三角状に掘り込みながら、半地下構造として地形に寄り添うようにRCによって建てられた。 内部にはコンクリート壁に沿って設けられた大きなレセプションテーブルや壁を掘り込んで作ったベンチがあり、訪れる人を建築要素全体で迎え入れる“はじまりの場”となっている。
レセプション横の螺旋階段を上ると、鉄骨造で構成された二層のコミュニティスペースへと続き、活動のレイヤーが垂直方向に展開していく。各フロアは10~20 m²と小規模ながら、用途に応じて工法や設えを変え、 バラエティ豊かな空間提案の可能性を表現している。地形と構造、光と人の動きが交錯しながら、生活が外へとにじみ出る。
外壁はフレキシブルボードにシルバー塗装を施し、材の継ぎ目となる目地を意図的に残している。
通常であればコーキングで平滑に処理される部分だが、目地の底に雨樋を仕込むことで雨水処理の問題を解決しつつ、素材の厚みを表現することで外壁の陰影としての立体性を獲得した。
南面は新旧の分節点として斜めの壁を差し込むことで三方の外壁と異なる光の拡散を生み、昼と夜、晴れと曇りで外壁の表情は絶えず変化し、無機質な建築が呼吸するように生を感じ、改修した既存平屋と分節を柔らかく繋げることが可能となった。
この斜壁の構成は、前述した個室棟の開き雨戸と呼応し、時代や構法の異なる建築群に統一感をもたらしている。
DIRECTION:
榎本太一(E.)
GREEN:
長尾浩(長尾作庭研究所)
LOGO:
久保章(guide)
PAPER CORD WEAVING:
杉原祥太(sumu.)
ACRYLICS:
黒瀬光彦(Life Market)
特殊金物:
村田進(KAMO CRAFT)
木製家具:
井上匠(Takumi Wood Works)
特殊塗装:
庄野樹護(SHONO PAINT WORKS)
MOTION GRAPHIC / EDIT:
田中謙吾
PHOTO:
足袋井竜也
完成日:
2025.AUG
左_右
〒737-0803
広島県呉市郷町2-7
TEL 0823-36-3883
OPEN
10:00~20:00
CLOSE
不定休











































