WORKS
十色写真STUDIO
toiro shasin studio
CATEGORY:
CONCEPT:
家族写真やスクールフォト、ウェディングなど、日本全国のあらゆる現場へ赴く写真家・タナカメさん。彼の新たな拠点となるフォトスタジオは、中庭のあるRC造マンションの半地下階に位置する。
さまざまな場所やシチュエーションで、被写体の喜怒哀楽を最大限に引き出してきた彼だからこそ、与えられたテーマは「360°撮影できるスタジオ」というコンセプトだった。
現場の環境を瞬時に汲み取り、一瞬を切り取る能力に長けた「動」の写真家。
だからこそ、一つに留まることで生まれる「静」のスタジオには、彼が現場で培ってきた能力を最大限に活かすための建築的なギミックが必要ではないかと考えた。
それは、通常のスタジオのように一面の壁の前に留まって背景を作り込むものではない。一つの空間でありながら、さまざまな事象が偶発的に起こりうる「装置」としての空間が必要だった。
そこで、建築にできることは何かを思考し続ける中で生まれたのが、「カメラのような空間」というコンセプトである。
一つの被写体に対してカメラを構えるということは、内蔵されたレンズの重なり方や光の取り込み方により、幾千通りもの組み合わせの中から生まれる瞬間を捉える行為だ。
もし空間自体も、カメラを操作する感覚の延長でコントロールできたなら。彼の写真術がカメラの枠を超えて空間全体へと展開されることで、「動」の写真家が一つの場に留まるからこそ生まれる新たな瞬間が訪れるのではないかと考えた。
具体的には、カメラの多層的なレンズの重なりをヒントに、既存のソリッドな長方形のRC造空間内に、人と人とのつながりを意識した「2つの同じ半径の円」を重ねる平面プランを落とし込んだ。
躯体に沿って2つの円をずらすことで平面にS字を描き出し、同時に既存の掃き出し窓を利用して、円弧の一部が外部へとダイナミックにはみ出すように増築を行なっている。
四角形に内包された円が作り出す余白部分と、外部へ飛び出した増築部分。この2つの干渉帯や円弧の重なりに、さまざまな機能を埋め込んだ。
余白部分には、
「壁面に潜り込めるようなかまくら状の空間」
「緑あふれるサンルーム」
「可動円形ステップと組み合わせて高さを自由に調整できる開口スペース」
という3つの機能を持たせている。
ゆるやかなS字カーブを描く円周上にこれらの空間が連続して現れることで、訪れた人は自然と空間内を動き回ることになる。
まるで公園の遊具のように、室内に留まりながらも躍動感のある動きを自然と生み出すことが可能となった。
さらに、360°動き回りながらどこを切り取っても美しい背景とするためには、カメラの延長として「空間の光」をコントロールすることが必須となる。
ここで焦点となったのは、人工光と自然光の扱いだ。
通常のスタジオのように自然光を完全に遮断し、大光量の専用照明を天井から多数吊るせば照度は確保できるが、機材自体のボリュームが大きくなり、空間の作り物感が強まってしまう。また、シチュエーションによっては自然光もうまく取り込みたい。
まさにカメラのダイヤルを回すように、自然光のバランスや人工光の強さを自在にコントロールできればベストだと考えた。
そこで、既存の窓や開口部は2つの円の壁の立ち上がりによって塞ぎ、一度自然光を遮断した上で、空間全体にラワンベニヤのボーダーを躯体から45度振って950mmピッチで張り巡らせた。
その内部に調光・調色可能なライン照明を埋め込むことで、天井照明全体が自由にコントロールできる拡散光になるような照明システムを構築した。
その一方で、外部へ突き出した増築部のみを天窓とし、スポットライトのように自然光を取り込める空間を作り出した。
円の両端では自然光のみ、あるいは人工光のみによる撮影が行え、両端を起点に円が重なっていく箇所では2つの光が絶妙に混ざり合う。
これにより、写真家自身が2つの光を自在にコントロールすることが可能となった。
目まぐるしく全国を飛び回り、さまざまな風景と被写体の組み合わせの中で生み出されてきた写真たち。
それを糧としつつ、立ち返るべき拠点ができたことで、その場に留まり、考え、修練することでしか生まれない写真がこれから加わっていく。
ここは、唯一無二のカメラマンが作り出した新たな拠点だ。
それにより、彼の写真家としての強度と厚みは、今後さらに増していくのではないかと願っている。
GREEN:
小田 康平(叢)
LOGO:
久保 章(guide)
特殊金物
村田 進(KAMO CRAFT)
PHOTO:
足袋井竜也
完成日:
2025.DEC
〒731-0154
広島県広島市安佐南区上安1丁目1-8
バザレビル 1F
OPEN/CLOSE
予約制
@toiro_shashin_studio
CATEGORY:
CONCEPT:
家族写真やスクールフォト、ウェディングなど、日本全国のあらゆる現場へ赴く写真家・タナカメさん。彼の新たな拠点となるフォトスタジオは、中庭のあるRC造マンションの半地下階に位置する。
さまざまな場所やシチュエーションで、被写体の喜怒哀楽を最大限に引き出してきた彼だからこそ、与えられたテーマは「360°撮影できるスタジオ」というコンセプトだった。
現場の環境を瞬時に汲み取り、一瞬を切り取る能力に長けた「動」の写真家。
だからこそ、一つに留まることで生まれる「静」のスタジオには、彼が現場で培ってきた能力を最大限に活かすための建築的なギミックが必要ではないかと考えた。
それは、通常のスタジオのように一面の壁の前に留まって背景を作り込むものではない。一つの空間でありながら、さまざまな事象が偶発的に起こりうる「装置」としての空間が必要だった。
そこで、建築にできることは何かを思考し続ける中で生まれたのが、「カメラのような空間」というコンセプトである。
一つの被写体に対してカメラを構えるということは、内蔵されたレンズの重なり方や光の取り込み方により、幾千通りもの組み合わせの中から生まれる瞬間を捉える行為だ。
もし空間自体も、カメラを操作する感覚の延長でコントロールできたなら。彼の写真術がカメラの枠を超えて空間全体へと展開されることで、「動」の写真家が一つの場に留まるからこそ生まれる新たな瞬間が訪れるのではないかと考えた。
具体的には、カメラの多層的なレンズの重なりをヒントに、既存のソリッドな長方形のRC造空間内に、人と人とのつながりを意識した「2つの同じ半径の円」を重ねる平面プランを落とし込んだ。
躯体に沿って2つの円をずらすことで平面にS字を描き出し、同時に既存の掃き出し窓を利用して、円弧の一部が外部へとダイナミックにはみ出すように増築を行なっている。
四角形に内包された円が作り出す余白部分と、外部へ飛び出した増築部分。この2つの干渉帯や円弧の重なりに、さまざまな機能を埋め込んだ。
余白部分には、
「壁面に潜り込めるようなかまくら状の空間」
「緑あふれるサンルーム」
「可動円形ステップと組み合わせて高さを自由に調整できる開口スペース」
という3つの機能を持たせている。
ゆるやかなS字カーブを描く円周上にこれらの空間が連続して現れることで、訪れた人は自然と空間内を動き回ることになる。
まるで公園の遊具のように、室内に留まりながらも躍動感のある動きを自然と生み出すことが可能となった。
さらに、360°動き回りながらどこを切り取っても美しい背景とするためには、カメラの延長として「空間の光」をコントロールすることが必須となる。
ここで焦点となったのは、人工光と自然光の扱いだ。
通常のスタジオのように自然光を完全に遮断し、大光量の専用照明を天井から多数吊るせば照度は確保できるが、機材自体のボリュームが大きくなり、空間の作り物感が強まってしまう。また、シチュエーションによっては自然光もうまく取り込みたい。
まさにカメラのダイヤルを回すように、自然光のバランスや人工光の強さを自在にコントロールできればベストだと考えた。
そこで、既存の窓や開口部は2つの円の壁の立ち上がりによって塞ぎ、一度自然光を遮断した上で、空間全体にラワンベニヤのボーダーを躯体から45度振って950mmピッチで張り巡らせた。
その内部に調光・調色可能なライン照明を埋め込むことで、天井照明全体が自由にコントロールできる拡散光になるような照明システムを構築した。
その一方で、外部へ突き出した増築部のみを天窓とし、スポットライトのように自然光を取り込める空間を作り出した。
円の両端では自然光のみ、あるいは人工光のみによる撮影が行え、両端を起点に円が重なっていく箇所では2つの光が絶妙に混ざり合う。
これにより、写真家自身が2つの光を自在にコントロールすることが可能となった。
目まぐるしく全国を飛び回り、さまざまな風景と被写体の組み合わせの中で生み出されてきた写真たち。
それを糧としつつ、立ち返るべき拠点ができたことで、その場に留まり、考え、修練することでしか生まれない写真がこれから加わっていく。
ここは、唯一無二のカメラマンが作り出した新たな拠点だ。
それにより、彼の写真家としての強度と厚みは、今後さらに増していくのではないかと願っている。
GREEN:
小田 康平(叢)
LOGO:
久保 章(guide)
特殊金物
村田 進(KAMO CRAFT)
PHOTO:
足袋井竜也
完成日:
2025.DEC
〒731-0154
広島県広島市安佐南区上安1丁目1-8
バザレビル 1F
OPEN/CLOSE
予約制
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URL:
https://glad-inc.jp/service-toiro-studio


























