WORKS

suikazura

SUIKAZURA

CATEGORY:

CONCEPT:
ギャラリーはその都度目的が変動する形でありながら、作品やオブジェに干渉してしまいノイズが生じない上に並べた作品に対して主張のバランスが景となりうる空間の強度が必要となる。しかし今回の案件では、倉敷の美観地区という地とこれからつくられるこの場によって展示する作品の今後の方向性も決まっていくとの事だった。

つまりは空間自体がこのギャラリーで一番最初の作品にならないといけないのではないかと考えた。しかしその作品性や個性が突出してしまうと、これから置かれるであろうものの印象や固定概念が強くなってしまう。もとからそこにあったような佇まいが必要であり、ここでしか産まれない個性も求められる。  

設計当初そんな考え事をしながら美観地区を散策していた。この町の礎でありながら個性的なものはないだろうか?それが格子窓のような建築的な設などではなくもっと自然で根源的なものの方が良いのでは…そう考えてるうちにある景色に目を奪われるようになった。それは石である。美観地区の建物と道路の境界にはなぜか石が無意識に設置されていてこれらが均一な和の様式の建築物の中で個性という色を放っているように感じた。また本案件の建物と道路を挟んで向かい側は崖になっているのだが、崖の上部には神社があり、よく目を凝らすとそこに上がれるよう石積みが階段状になっている。そこでは時折ベンチのように石に座ったり、人口と自然の中間体のような佇まいにとても感銘を受けた。近隣の方に聞いたところ倉敷は元々は埋立地であり、この崖は昔は海岸の岸壁だっだのではという興味深い話も聞いた。縁石や崖もその一つ一つの石の形を見るとそれは人が手を加えたものではなく自然の雨風や経年劣化によって生まれたものである。展示する作家や作品が未定である現段階でその場所が持つ自然の造形美に勝るものはないのではないかと考えた。倉敷の美観地区において、ここを通る人々が意識下で気づいている様々な形で存在する石の魅力を明確に気づかさせることがこのギャラリーにとっての第一の作品となるのではないだろうかと考えた。


DETAIL:

長細い空間の中には大きな石を対角線状に配置した。

一つ目の石は手前の崖から転げ落ちたかのように無作為にファサードガラスの内側に、対角線状に配した奥の石は巨大な束石のような機能をもたせてH鋼の柱と一体化させている。

表の崖の景色を活かすため、ファサードはなるべく透明化できるよう開口をとった。建物屋内から崖がフレーミングされて見える風景はまるでその地の歴史を記した一枚の巨大な絵画を見るような錯覚を抱く。

内部空間には作品を展示したり座ったりできるモルタル製の2段の多機能なステップが設けられている。
これは一部が可動となることでフレキシブルに使うことができるうえ、壁から解き放たれたステップはギャラリー内でのスケール感もより異質となり、人工的な造形で産まれた石の彫刻物のようで、自然の力で造形された不動の石と対比されることで長い年月により生み出された石というものの尊さを人々に問いかけるようになっている。

それぞれの家具や建具は石と同じく一つ一つがギャラリーの作品となるように緻密にデザインを施された。これからどのような作品が置かれ、それらが建物の各装置と相互に力を発揮することでこの場が美観地区において新たな文化交流の起点となってくれることを願っている。



STONE:大塩健三郎(GREEN UNION)

PHOTO:
足袋井竜也

完成日:
2022.MAY

suikazura
〒710-0054
岡山県倉敷市本町14-7
OPEN
12:30~18:30 
CLOSE
不定休
TEL 086-441-8019

URL:
https://suikazura.official.ec/

MEDIA:
archdaily
YINJISPACE

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ギャラリーはその都度目的が変動する形でありながら、作品やオブジェに干渉してしまいノイズが生じない上に並べた作品に対して主張のバランスが景となりうる空間の強度が必要となる。しかし今回の案件では、倉敷の美観地区という地とこれからつくられるこの場によって展示する作品の今後の方向性も決まっていくとの事だった。

つまりは空間自体がこのギャラリーで一番最初の作品にならないといけないのではないかと考えた。しかしその作品性や個性が突出してしまうと、これから置かれるであろうものの印象や固定概念が強くなってしまう。もとからそこにあったような佇まいが必要であり、ここでしか産まれない個性も求められる。  

設計当初そんな考え事をしながら美観地区を散策していた。この町の礎でありながら個性的なものはないだろうか?それが格子窓のような建築的な設などではなくもっと自然で根源的なものの方が良いのでは…そう考えてるうちにある景色に目を奪われるようになった。それは石である。美観地区の建物と道路の境界にはなぜか石が無意識に設置されていてこれらが均一な和の様式の建築物の中で個性という色を放っているように感じた。また本案件の建物と道路を挟んで向かい側は崖になっているのだが、崖の上部には神社があり、よく目を凝らすとそこに上がれるよう石積みが階段状になっている。そこでは時折ベンチのように石に座ったり、人口と自然の中間体のような佇まいにとても感銘を受けた。近隣の方に聞いたところ倉敷は元々は埋立地であり、この崖は昔は海岸の岸壁だっだのではという興味深い話も聞いた。縁石や崖もその一つ一つの石の形を見るとそれは人が手を加えたものではなく自然の雨風や経年劣化によって生まれたものである。展示する作家や作品が未定である現段階でその場所が持つ自然の造形美に勝るものはないのではないかと考えた。倉敷の美観地区において、ここを通る人々が意識下で気づいている様々な形で存在する石の魅力を明確に気づかさせることがこのギャラリーにとっての第一の作品となるのではないだろうかと考えた。


DETAIL:

長細い空間の中には大きな石を対角線状に配置した。

一つ目の石は手前の崖から転げ落ちたかのように無作為にファサードガラスの内側に、対角線状に配した奥の石は巨大な束石のような機能をもたせてH鋼の柱と一体化させている。

表の崖の景色を活かすため、ファサードはなるべく透明化できるよう開口をとった。建物屋内から崖がフレーミングされて見える風景はまるでその地の歴史を記した一枚の巨大な絵画を見るような錯覚を抱く。

内部空間には作品を展示したり座ったりできるモルタル製の2段の多機能なステップが設けられている。
これは一部が可動となることでフレキシブルに使うことができるうえ、壁から解き放たれたステップはギャラリー内でのスケール感もより異質となり、人工的な造形で産まれた石の彫刻物のようで、自然の力で造形された不動の石と対比されることで長い年月により生み出された石というものの尊さを人々に問いかけるようになっている。

それぞれの家具や建具は石と同じく一つ一つがギャラリーの作品となるように緻密にデザインを施された。これからどのような作品が置かれ、それらが建物の各装置と相互に力を発揮することでこの場が美観地区において新たな文化交流の起点となってくれることを願っている。



STONE:大塩健三郎(GREEN UNION)

PHOTO:
足袋井竜也

完成日:
2022.MAY

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〒710-0054
岡山県倉敷市本町14-7
OPEN
12:30~18:30 
CLOSE
不定休
TEL 086-441-8019

URL:
https://suikazura.official.ec/

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