INFORMATION

2021.06.14

neute by maitre new open

more photo→

 

neute by maitre

 

広島市の本通のアーケードに面したテナントビルの裏通りからエレベーターで5階に上がる。

既存店舗の解体後スケルトンの状態を初めて見た時に感じたのは地上とは全く異る景色だった。
細長い空間には長手方向に窓が両面に設けられていて、そこには他のビルの屋上部分の室外機やダクトなどのインフラ設備が一面に広がり、工場建築のような美しさが垣間見えた。地上の賑わいや華やかさと対比されて私にはこの風景がとても魅力的に感じた。一様にベージュで塗られたインフラの集合体から生まれる景色を現代都市の砂漠として捉えて、そこに生まれたオアシスのような透き通ったリキッドな空間が作れないか考えた。

長細い空間の中心のコア部分にサロンのメイン機能であるカットブースを設けてそれらの仕切りをブルーの透明アクリルで作ることで空間にリキッドな潤いをもたらせた。
ミラーは窓から入り込む陽の光の形が平行四辺形になっていることに着目し、大きく斜めの形にトリミングしたものを取り付けた。ブルーアクリルの水面が幾重にも重なりそこに光が差し込むように日々のサロンワークの景色がカットインされる。

コロナ禍の中で改装計画が進んでいったプロジェクト。サロン空間においても人と人の間には透明ビニールシートやアクリルで仕切りができ、コミュニケーションの距離がどんどん遠くなっているように感じた。設計を進める中で離れていても仕切りがあっても人と人が豊かに繋がる空間はできないだろうか考えた。そこである映画のことを思い出した。スタジオジブリの手がけた”耳をすませば”の冒頭の図書館での貸し出しカードのくだり、離れていても話さなくても同じ本を読むことによって人は知を共有することで繋がれる。本を媒介にコミュニケーションが生まれるようにサロン空間のエントランス待合部分に小さな図書館を併設するように考えた。周辺に高い建物もなく陽が入り込むベランダ部分は緑が生い茂るガーデンを造り、まるで5階にいながら地面に立っているような倒錯感を演出している。その掃き出し窓部分に沿わせて広い待合ベンチを作ることで木漏れ日が溢れる開放的に読書できる心地の良いライブラリースペースを作り上げた。

コロナによる自粛生活の日々。ネットの発展により離れた場所同士での会議も可能となり在宅勤務の方も増え、自宅で全ての事が行われることにも疑問を抱かなくなった今、商業空間は役割も変わっていかなければならないと思う。クライアントの欲求に対するサービスがいわゆる単純に一次元的なものであれば自宅空間で体験できることが明確となった。では商業空間の役割は何なのかと考えると”豊かさ”ではないだろうか?普段感じれない非日常感をそのひと時だけは味わえたり一つのサービスに対して深く複層的にレイヤで様々なサービスを織り込ませる事で豊かさや非日常感が得られなければ足を運んでもらえないのではと肌で感じている。
今回のサロン空間に置いては、髪が切れるだけではなく木漏れ日彩るリキッドな非日常空間で日々の喧騒からもリセットしてもらい新しい知識やカルチャーを取り入れ、凛とした気持ちで心も正し新しい自分のヘアースタイルを迎えてもらえたらと思う。

都市空間の中に浮遊してできた緑あふれるオアシスのような空中庭園
ネットや家では決して味わえないここでしか体験できない物語が今日も5階のエレベーターの扉が開いた瞬間に始まっている。

DIRECTION:
榎本太一(E.)

GREEN:
長尾浩(長尾作庭研究所)

LIBRARY BOOK SELECT:
清政光博(READAN DEAT)

GRAPHIC:
大井健太郎 (LISTEN)

設計協力・施工:
宇坪伸二(MID DESIGN)

 

PHOTO:
足袋井竜也

 

完成日:
2020.OCT

 

neute by maitre
〒730-0035
広島県広島市中区本通1-6-5F
OPEN
10:00ー20:00
CLOSE
Monday Tuesday(1st,3rd)
TEL
082-246-9660

URL:
https://www.instagram.com/neute__maitre__hair/

2021.05.05

プロットヘアー / waremokou new open

プロットヘアー/waremokou

呉市で行われたリノベーションスクール第一回の候補地。市役所から繋がる通称市役所通りにある5階建ての鉄骨造のビルの一階で元々は呉服屋が入っていてRガラスのファサードが印象的な建物だった。

細長い40坪の建物の奥にはサンルームのような木造の空間ができていて、表からの風がこの部屋まで通り、波板の屋根からはかすかに陽が入るとても魅力的な空間と感じた。

リノベーションスクールを通して呉市役所の職員の方や講師の方々、ビルオーナーの畝さんの協力を得てヘアーサロンと物販店の二つが共存する空間作りをすることになった。

シャンプーをしてるお客様の横で本を選んでる人がいたり。サンルームにできた観葉植物コーナーで髪を切ったり。髪を切った後、花やファブリックを選んで帰ったり。二つの空間が共存することで一つの行為にたくさんの物語が付属し、ここでしか体験できない空間ができそうだと感じた。

そのためにはよりカットやシャンプーの機能を細分化し、物販の商品と同等に空間に散りばめることで個々の要素が偶発的に出会いさまざまなアクションが生まれるように考えた。

この命題はヘアサロンに必要なミラーとシャンプー台、カットチェアの3つの大きなボリュームをどう細分化し細長い空間に配するかで答えは決まる。

並列に並べることが多いシャンプーブースは個別にしきり直列に、カットブースはキャスターをつけて可動式でどこでも動けるように、不動なものを可動にすることで、より偶発的なアクションのが発生率の上昇を試みた。

シャンプーやトイレ各店舗のスタッフルームなど設備的に動かせないものは縦長方向に直列に配置して空間内にもう一つ空間を作り込み、より直線的な空間づくりを演出した。空間の壁面や天井の所々に有孔ボードを組み込むとことで空間全体を仕切る壁が商品ディスプレイへと変貌し空間全体に商品を陳列できるように考えている。また壁面に穴が開くことで空間を遮る壁でさえ風の通り道になるように考えた。

2020年8月に第一期工事が竣工。プロットヘアーがオープンした。

コロナ禍の始まりということもあり、機能を細分化して配置する事は人と人とのプライベートエリアの確保に繋がり、空間全体のコンセプトである風通しの良さは空間内の換気へと繋がり、結果アフターコロナの空間づくりに自然とベクトルが向かっていったように思う。

そこから半年後2021年2月に物販店waremokouがオープンする事となる。

ワレモコウはリノベーションスクールに参加したそれぞれお店を構える三人の経営者が各々の新規事業を展開する店舗である。取扱商品はドライフラワー店が営む生花、造園屋が営む観葉植物ら古本、レコード、そして子供服のお店が自社でプリントされたファブリックを施したグッズ販売と、それぞれがサスティナブルをテーマに新規事業にチャレンジする空間となった。

主な売場は空間の前側に配されるが、空間の右側の長細いコア部分の壁面や天井に配された有孔ボードによる商品ディスプレイ棚や、奥のサンルームの観葉植物コーナーなど商品はプロットヘアーの内部まで浸食し、細長い空間全体を回遊できるように考えている。表から奥まで通り抜ける風をより細分化していくイメージで、前面空間に白い杭のようなものを9つ建ててそれをそれぞれ上下でつなぐことで2本の線を平面的に表現した。

白い杭はレコードプレーヤーとミキサーを埋め込み視聴機になったり、レジ台になったりベンチになったりさまざまな機能が付随された。それらが水平方向のアクリルプレートやアクリルボックスを媒介に立体的に繋がることでバラバラな商品が個を保ちつつも”サスティナブル”という一つのテーマで繋がれるように考えている。

ファサードは道路面からセットバックさせ街に開放している。この場所では新たな通りの担い手が商品を展開できたりチャレンジもできるポップアップ屋台を作る事で通りの未来も見据えた空間づくりとなった。

市役所通りはかつては銀座デパートという百貨店がありこの街の中心地だった。跡地は現在駐車場になってしまったが道路挟んで向かいに位置するプロットヘアー/waremokouを中心にこの通りに新しい風が吹いてくれることを願っている。

 

プロット/waremokou

〒737-0046

広島県呉市中通4丁目9-8 畝ビル1F

 

プロットヘアー

OPEN

Tue~Sat9:30~20:00、Sun.Holiday9:30~19:30

CLOSE

月曜日・第3日曜日

TEL

0823-27-7649

 

waremokou

OPEN

10:00~18:00

CLOSE

Mon.Sun(3rd)

TEL

0823-27-8527

2021.05.03

[書籍掲載] 商店建築 2021年5月号 特集/ヘアサロンに掲載されました。(crede hairs inokuchi) (color stand)

2021.02.10

[メディア掲載] デザインウェブマガジン「FRAME」に掲載されました。(créde hair’s inokuchi)

2021.01.29

[メディア掲載] 建築情報サイト「architecturephoto.net」に掲載されました。(color stand)

2020.12.01

color stand 広島祇園店 new open

 

カラー専門店はヘアーサロンの中でもカラーリングに特化し、白髪染めや生え際のリタッチなどが主なメニューとなる。
お客様は第一に安く、そして気軽にカラーの施術を求め、質はもちろん安さと早さが必要不可欠でありこれからのチェーン展開を視野に入れた一号店のお店となる。

 

これからチェーン展開する店舗という観点で考えた時に、設計自体もシステム的に機械化する必要があるのではないかと考えた。

どの土地でも馴染むようにしかしその場その場の個性も出していきたい。設計段階で工程はシンプルにしなければ限られた予算という課題はクリアできない。

たくさんの課題をクライアントとディレクターの三者で何度か協議を重ねる中、店名のカラースタンドの中にヒントは埋まっていた。

 

コンセプトは”ガソリンスタンドのようなカラー専門店”に決まった。

 

ガソリンスタンドの給油する機械のように、これらの機能をひとつにまとめ装置化する事でスペースは無駄なく最小化され、動線もよりシンプルにすることが可能になるのではないだろうか。

カラースタンド什器は空間内に三台斜めに振られ、等間隔に置かれた。その背面から信号機のように片持ちで楕円形のミラーが飛び出し、

そのミラーを中心にカラフルなサロンチェアが対称に配置される。

 

設計のプロセスにおいても通常の空間全体を立体的に機能を落とし込みデザインするのではなく、”点と景”の二つの視点で空間を切り分けて考えている。

 

“点”はここでは機能の事であり、全ての機能を一度細分化したのち集約し、スタンドの塊として捉え、それぞれの集約した作業を完遂する機械を作るように綿密に設計した。

“景”は空間のことであり、空間を解体する事であらわれた躯体を仕上として見せるように考えた。既存の躯体の個性を利用する事で、その場所にしか生まれない遊びを空間に設け、

それがコストカットとクリエィティブを両立させるように考えている。

これから店舗展開をしていくことで、

“景”である解体された空間はそれぞれの場所で躯体や仕様も異なりそこにしかない個性が生まれる、

逆に綿密に設計された”点”である多機能スタンドはどこの場所でも同じものを取り入れる。

“点”がスタンド什器として一様に生産され、”景”それぞれが解体される事で個性を持って生まれるという、通常の点と景の意味とは逆転の現象が起きる事となる。

 

これまでオーダーメイドのような手法でオーナーのこだわりを丁寧に体現してきた経験を踏まえて作るユニバーサルに展開できる空間デザインのシステム。

この手法でこれから様々な街に誰もが気軽に寄れるその場所にしかできないカラースタンドが生まれ増えていってくれることを願っている。

 

color stand 広島祗園店
広島県広島市安佐南区祇園1丁目14-7
TEL 082-836-7671
open 10:00~18:30
close Sunday

colorstand.jp

2020.10.28

[書籍掲載] 商店建築 2020年11月号 特集/ファサードに掲載されました。(MIYANISHI yakeyama)

2020.10.27

[メディア掲載] デザインウェブマガジンHOSPITARITY SNAPSHOTSに 掲載されました。(Ripi)

2020.10.23

JID AWARD 2020 インテリアスペース部門で 入選致しました。(Ripi)

2020.10.12

[書籍掲載]月刊誌 フローリスト 11月号 に掲載されました。

月刊誌 フローリスト 2020年11月号
<花屋さんのためのショップデザイン・アイデア>
にて、これまでの手がけた作品や空間デザインに対する思いなど4ページに渡り特集記事を組んで頂きました。

2020.10.10

[メディア掲載] デザインウェブマガジンdesignboomに 掲載されました。(FLORIST NAKAMURA)

2020.10.01

[メディア掲載] デザインウェブマガジンdesignboomに 掲載されました。(créde hair’s inokuchi)

2020.09.23

[メディア掲載] 建築情報サイト「architecturephoto.net」に掲載されました。(créde hair’s inokuchi)

2020.09.23

[メディア掲載] 建築情報サイト「architecturephoto.net」に掲載されました。(FLORIST NAKAMURA)

2020.09.23

[書籍掲載]月刊誌 フローリスト 10月号に 掲載されました。(botanico)